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このところ、新型コロナ感染症の影響による自粛で地元会の山歩き活動も停滞していたのですが、ようやく6月になって自粛が解禁され、6月後半には「飯能アルプス」という奥武蔵方面の山歩きが再開されました。ところがそのあと、今度は異常な長梅雨に悩まされ7月前半の山行は中止になっていました。ようやく、7月後半の「籠ノ登山と池ノ平湿原」登山に行けることになりました。これも前日午前までの予想では雨となっていて危ぶまれましたが急転して回復、実現です。今年の梅雨の異常はどうやら世界的な気象異変のようです。
今回の参加者は11名で信越・高峰高原へ向かいます。ビジターセンターには午前8時過ぎに到着し“花の山”という期待に応えてニッコウキスゲなどの咲いている登山口からさっそく登り始めました。高速道路走行中には雨が降り出したりして心配していたのですが、いくつかのトンネルを抜けて佐久盆地に入ると一部に青空も見えてきてひと安心の感じ。この登山口自体がすでに標高2000メートルもありますから、かなり涼しく感じます。
水ノ塔山・籠ノ登山は浅間山の西方にあり、カラマツなどを主体とする針葉樹林と豊かな高山植物群が有名な美しい山稜地で、一帯はスキー場として大規模に開発されています。山稜自体は風化した溶岩ド―ムとのことで切り立った岩山の水ノ塔とその先の東西の籠ノ登がピークになっています。
最初の目標地・水ノ塔山までの登りは最初ゆっくり、両側の豊かな下草の間にシャクナゲが群生し、その奥にカラマツやトドマツ、シラカバが点在する林が続いています。「クマ出没注意!」の警告板がありましたが確かに生物相も豊かな感じがします。しばらく歩くと大小の岩石が転がる「うぐいす展望台」に到着。確かにウグイスの声は聞こえましたが、雲とガスに邪魔されてあまり遠くの展望は望めません。そこからは積み重なった岩の急な登りになります。左側は切り立った崖で、時折雲が晴れると緑の斜面とはるか下の草原が見える開放的な景色になるのでかなり気持ちがいいです。
午前10時すぎ、最初のピークである水ノ塔山(2202メートル)に到着しました。狭い場所で、各自が岩の上にひな壇のように並んでの記念撮影になりました。ここでも浅間山や黒斑山など遠くは見えませんが、登山口の高峰温泉が見えます。こんな短時間で高山帯の雰囲気が味わえるのは素晴らしいことです。ここから東籠ノ登山へは稜線のアップダウンをたどって行きますが、先ほどとは違う雰囲気の樹林帯歩きになります。ときおり南側の斜面が無残に崩れたガレ場に出ますが、この辺りは山腹のかなりの部分が大きくえぐれて赤い土砂がむき出しになっています。この崩壊は中腹の林道まで続いているかなり大規模なものです(最後の林道歩きで確認できましたが、相当の土石流が発生していました。昨年の台風の影響もありそうです)。ようやく到着した東籠ノ登山の頂上はかなり広いですが、ここも大小の岩石に覆われています。見晴らしは大変良いのですが、この日はやや残念。ただ、雲はそう厚くはないのでそれなりに雄大な山岳の雰囲気を満喫できます。まだ赤くないナツアカネの姿も観察できましたが、それよりはるかにアブやハエが多く飛び回っていて閉口しました。
昼食後、急斜面を一気に降りて中腹の池ノ平湿原に出ます。この高層湿原には中央を横断してから周囲の高地(三方ケ峰)を廻る観察道路が設けられていまして、ここだけでも十分にハイキングコースの資格があるようです。季節の花や蝶を目当てのカメラマンの姿があり、なんとカモシカも悠然と現れ、ここでも自然度の高い場所であることがわかります。
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