玉川上水の取水堰
2016-03-27


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エコシティ志木の見学会「野火止用水を歩く」という企画の4回目で、拝島駅(福生市)から堰まで歩き、玉川上水の取水堰に到達しました。

江戸時代につくられた玉川上水は飲料水として使われたばかりか、広く武蔵野台地一帯を潤す貴重な水源ですが、途中に「水喰土(みずくらいど)公園」というのがありました。最初に開削した用水の水が地面に吸い込まれて(喰われて!)完成しなかったという場所で、堀跡がそのまま残っているのです。旧堀跡はこの他にもあり、短期間で完成したといわれる玉川上水にも工事には多くの困難があったことをしのばせます。

奥多摩街道から多摩川の河岸段丘をのぞむ小高い崖の上に出ると、多摩川低地を一望する雄大な光景が広がります。ここで、「これで武蔵野台地を横断したことになります」との主催者の言葉に一同感激。確かに、荒川低地の新河岸川に注ぐ野火止用水の暗渠を歩いて遡りはじめて、ここはとうとう多摩川なのです。取水堰の付近は開放的な公園の雰囲気がただよっています。

江戸時代、この多摩川の水がいくつもの用水を経て、武蔵野台地を横切り、荒川に注いでいました。現在は逆に、荒川の秋ヶ瀬取水堰からの水が、多摩川水系の村山貯水池に送られ、多摩川の水と一緒になって東京都民の飲料水になっています。そのルートは昔の野火止用水→玉川上水とほぼ同じです。さらにその荒川の水には少なからぬ利根川の水が含まれているのですから、古代からの水と人間の営みの壮大さを感じます。

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