工場見学で見たものは
2017-01-23


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あさか環境市民会議という団体の研修会で2か所の工場施設を見学しました。ひとつは飲料水の宅配方式ビジネスを行っているクリクラ製造工場(埼玉県本庄市)。もう1か所は食品のガトーハラダ本社工場(群馬県高崎市)。利根川の支流である烏川を挟んだ近い距離にあります。

クリクラ本庄工場は2015年に完成したという新工場で、広い敷地の中にあざやかなデザインの事務所棟と工場が並んでいます。工場正面には「クリクラミュージアム」の文字があります。つまり、ここははじめから訪問者に見学してもらうことを予定して建ててあるということです。産業観光開発に力を入れている埼玉県本庄市との協力体制のもと、この施設も本庄市の新たな観光資源として活用されているようです。

工場では月産100万本の宅配水を生産しているとのこと。説明をうけ、生産設備を見学しましたが、驚くのは工場内にまったく人がいないことです。水の浄化、充填、容器の搬送などはきれいな流れ作業なのですが、完全にオートメーションです。次工程の出荷用のラックの倉庫は天井が見えないほど巨大な立体構造の建物ですが、ラックを探して運んでくるのも、そこに詰め込むのもすべて産業用ロボットです。

午後にたずねたガトーフェスタハラダは、ラスクなどパンから作った洋菓子の専門メーカーですが、この工場も2年程前に完成した新工場で外観が西洋のお城の陽なっているので「シャトー」の名称がつけられています(写真)。ここでも、説明のあと、工場2階、3階の生産ラインを見学しましたが、白衣をきた作業員の姿は本当に少なく、製品の検査や選別、袋詰めなどがほとんど自動化されています。検査や選別の仕事はおそらく少し前まではベテラン作業員がやっていたものと思いますが、こうした最新工場での省力化の波はすごいものがあります。

2つとも完成したばかりの新工場だからかもしれませんが、われわれがよく知っている自動車や鉄鋼業などの大工場だけでなく、こうした比較的小さな、手作業主体だと思えるような日常消費用品の製造ラインまでこうしたセンサーやロボットによる無人化が進んでいることにあらためて驚きます。現在では、製造後の発送、輸送行程でも自動運転技術みたいな無人化が進んでいるようです。もちろん、どこかに人間が必要なことはわかっていますが、単純に「工場新設=雇用拡大」にならないことは確かです。

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